Archive for 5月, 2010

ぼくの本棚289 ティナ・シーリグ/20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学 集中講義


13 5月

もし何をしても失敗しないとしたら
あなたは何をやるだろうか。

もしいくつになっても人生を変えられるとしたら
あなたは何になるだろうか。

起業やイノベーションをして成功する人は
リスクに対して、ある種の無謀さと徹底した集中力を持っている人が多い。

リスクがあっても挑戦し、努力し、あらゆる壁を乗り越えるために
ストレスに耐えられる、目標達成型の成功指向をしているからだ。

では、大成功できない人は、一度しかない人生なのに何を怖れるのだろうか。
早く何度も失敗すれば人より多く学べるのに。

本書では、及第点では満足せず、さらに日夜努力し、
常に世界最高を目指す学生たちが、
スタンフォードには多くいることに喜びを感じる。

しかし一方で、日本に目を向けると、リスクを冒す若者が減り、
公務員をめざす安定志向者ばかり増える現実に
寂寥感を感じるのは僕だけだろうか。

「バカで愚かで怠惰で出来の悪い社員を評価しろと言っているわけではない。
クリエイティブな組織をつくりたいのであれば、何もしないことは最悪の類いの失敗だ。
想像力は行動から生まれる。何もしなければ何も生まれない」

本書には、「人生というルール」を破る勇気をくれる言葉が、確かにある。

編集長 尾中謙文

参考になったと思われた方、クリックしていただけると嬉しいです
にほんブログ村 本ブログへにほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

ぼくの本棚288 : 河合隼雄/中空構造日本の深層


11 5月

最近の日本政治のぶれは、政治家の個人的な理由かと思っていたら、
河合さんがすでに本書で「日本における父性の弱さ」を指摘をされていた。

つまり日本の長は、リーダーではなく「世話役」で、自らの権力を誇示するのではなく
全体のバランスをとることの方が大事なのだという。

「日本にも時にリーダー型の長が現れるときがあるが、能力を有するにしても、
それに頼らずに無為であることが理想とされる」

敦賀原子力発電所の事故における無責任体制はその典型的な例で、
有事の時にその無能ぶりが露呈する。

「最も近代的な組織の運営において、欧米諸国から見ればまったく不可解としか
思えないような、統合性のない、誰が中心において責任を有しているのかが
不明確な体制がとられていたのである」

この中心が無い構造を指して、河合さんは「中空構造の日本」と呼んでいる。

若者にもアルバイトや趣味やる力を持つ人がいる反面、
中核には結局何をしても「意味が無い」という底無しの空虚感がある。

これからの日本を考える上で、この中心の空性を満たすエネルギーは
はたして何なのか。どこから生まれるのか。
政治家やマスコミは、そのエネルギーを壊すこと無く
日本の智慧としてどう活かしたらいいのか。

「日本の中心」を考える時期がまさにいま来ていることは言うまでもない。

編集長 尾中謙文


参考になったと思われた方、クリックしていただけると嬉しいです
にほんブログ村 本ブログへにほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ