ぼくの本棚279 : レイチェル・カーソン/沈黙の春

19 2月

レイチェル・カーソンの言葉は
「影響力」という以上の浸透の仕方で僕の組織の中に入り込んでいる。
鋭利のような鋭さ、ミクロのような繊細さ、人間への深い愛、
地球にむけたやさしさが、美しいセンテンス、文脈すべてから薫ってくる。

「いまや、人間という人間は、母の胎内に宿ったときから
年老いて死ぬまで、恐ろしい化学薬品の呪縛のもとにある。
合成殺虫剤は生物界、無生物界をとわず、いたるところに進出し、
いまでは化学薬品の汚染をこうむらないもの、ところなど、ほとんどない」

レイチェルは本書で農薬問題を告発した。
本書を読んだケネディ大統領が感動し、米国全土で農薬の環境破壊を追求した結果、
環境保護運動は全世界に広がった。

「川という川、地底を流れる地下水もまた汚染している。
十二年もまえに使用した化学薬品は、土壌にしみこんだまま、残滓がみつかる。
魚、鳥、爬虫類、家畜、野生動物のからだも、同じだ。
化学薬品の汚染をまぬがれた動物を探し出すことは難しい。

人里離れた山奥の湖水の魚、鳥の卵、
そして人間自身のからだにも化学薬品の痕跡が見られる。
母乳の中に、まだ生まれる前の子供の組織の中にも
化学薬品が入っている」

本書を執筆中に癌にかかり、レイチェルは死去する。
「センスオブワンダー」を始めとした残された著作は
生物学者という枠を越え、その文章の美しさは類を見ない。

「みんな催眠術にかけられているのか。
よくないものも、有害なものも、仕方ないと受け入れてしまう。
あと何インチかで、環境の破滅という海に溺れてしまうのに、
やっと何とか頭だけしのぐ生活がいいのだ」

本書は読むものではない。味わうものだ。
繰り返し繰り返し味わうことで、レイチェルと同じ風景が見えてくる。
しだいに、未来にむけて何をしなければならないかに気づく。

あなたはどういう未来に生きていたいだろうか。
子供たちのためにどんな未来を残していきたいだろうか。

編集長 尾中謙文
参考になったと思われた方、クリックしていただけると嬉しいです
にほんブログ村 本ブログへにほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

編集局O

Leave a Reply