Archive for 7月, 2009

ぼくの本棚262:YOSHIKI/佳樹 by 小松成美


06 7月

林佳樹という人をご存じだろうか?

日本ロックの最高峰を極めたYOSHIKIの本名である。

林佳樹は高校卒業後4年目で、無限を意味するXというバンド名とアルファベットの名前を名乗り、

本名を封じることで逃げ場の無い生き方を選んだ。

「林佳樹はもうこの世にはいないよ。生涯、XのYOSHIKIとして生きていくんだ」

奈落の底にいたという10歳には、すでに夭折する自分を脳裏に描いていた。

朽ち果てていく自分の死を思うことで、悲しみや苦しみが消え、

自分を責め悩む気持ちが無くなり安堵できるという、

無気力平均的で、お気楽な生活に浸っている日本人には、

およそ想像もつかないレベルで生きていた。

死を待ち望んでいた自分が何故22歳まで生きられたのか。

ロックと出会い、音楽の中で生きる時だけ生きる喜び、鼓動や血液を実感できた。

その瞬間、すべての存在、エネルギーは音楽へと転化し、そこにYOSHIKIが誕生した。

「命が尽きるその1秒までドラムを叩いていたい」

小児喘息の発作と虚弱体質、4歳からのピアノ、尊敬していたベートーベン、

父の自殺、KISSとの出会い、6年生で始めたバンド、

暴走族、トップの成績、喧嘩、バイク事故、友人の死、Xの誕生。

ここには幼少からの林佳樹の壮絶な「生」の真実がある。

本書は、メジャーデビューから20年を経て、なお色褪せないX JAPANの本質を、

YOSHIKIの細胞を通して丹念に繊細に描いた良質なノンフィクションである。

編集長 尾中謙文

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