Archive for 3月, 2009

ぼくの本棚254:サラサラの組織 by 富士ゼロックスKDI/野村恭彦・仙石太郎・荒井恭一+紺野登+荻野進介共著 野中郁次郎+小林陽太郎監修


23 3月

日本の「組織」に所属する多くの人は、自分の組織に無関心か、無関心を装っている場合が多い。

なかなか組織を比べる機会もないし、一度会社に入ったら忠誠を誓うことが美徳であるよう洗脳される。

会社には絶対逆らってはいけないと。

悪い組織に長くいる人ほど精神的なダメージが蓄積され、

さらに優秀な人ほどそれを認めないので、やがて組織には救いが無くなる。

本書には、ドロドロな組織をどうやってサラサラの組織に変えたのか事例が山ほどある。

あなたの職場でワクワクする知的活力が低下したら少し気をつけたほうがいい。

一日会社にいて誰とも対話がないとか、

隣人とメールでしか会話していないとか、

愛が欠けてはいないだろうか。

組織には共生と循環と多様性があるだろうか。

社会との接点はあるだろうか。

職場は志を持ち、何かに情熱を傾けているだろうか。

あなたにとって組織とは何なのだろうか。

組織変革を本気でしたい人に勇気を与えてくれる良書だ。

編集長 尾中謙文

にほんブログ村 本ブログへ

編集局S

ぼくの本棚253:はじめて英語で日記を書いてみる by 石原真弓


13 3月

あなたは日記をつけたことがあるだろうか。それは継続しているだろうか。

小学校で英語を教えると学習時間が無くなるとか、

日本語の基礎ができてから英語を勉強しないと美しい言葉がしゃべれない、

などとまことしやかな話が囁かれている。

しかし、21世紀のアジア全体で起きるグローバル化は、そんなゆっくりした英語化を待ってはくれない。

困るのはアジアの壁が無くなった、未来の日本の子供たちである。

英語は対話の道具だから、本来通じれば良いのであって、その先は本人のやる気次第だ。

しかし「日本で英語を習う限り通じる会話はできない」と

米国の友人に言われたことが妙に耳にこびりついている。

多くの日本人は中学高校と6年間、大学を入れると8年くらい「受験英語」をやっているが、

「英語で話すコツ」すらつかめないので対話にならないのだ。

では日本人は、なぜ人生の多くを英語に浪費しなければならないのか。

やはりどこかおかしい。

その後、社会人になっても、英会話に投資し続けている人は圧倒的に多い。

本書は、そんな人にとって「自分を伝えること」の英語表現のコツが簡単につかめる入門書だ。

毎日英語で日記をつけるだけでいい。

とにかく書くだけ。

1、2行でいい。

間違っていてもいい。

お金もかからない。

大切なのは続けることだけ。

石原さんの教え方は「もう一度英語をやり直したい」という人にとって、単純明快でわかりやすい。

しかし継続すればできるようになるのは、なにも英語に限ったことではない。

編集長 尾中謙文

にほんブログ村 本ブログへ

編集局S

ぼくの本棚252:部下を定時に帰す仕事術 by 佐々木常夫


12 3月

佐々木さんから新著をいただいた。

佐々木さんは経団連理事や東レ経営研究所社長として

「ワーク・ライフ・マネジメント」を実行されている。

しかし、これは単に時間通り帰るというきれいごとではなく、

佐々木さんにとって、うつ病の妻と自閉症の長男を守るために考え出した、

究極の仕事術であり最大時間効率を貫き通した結果だ。

本書は、業務の無駄を洗い出すことで業務を半減させたり、

全体のストーリーがわかる計画書の作り方や、

見通しが立たない難しいケースはとりあえず始めてみて修正をする方がいいことなど、

内容が具体的で、すべては時間短縮と効率に結びつく。

これは全て、佐々木さんが自分の家族を守るために現場で鍛え上げたもので、決して座学ではない。

またトップの責任についても触れている。

トップは事業の目指すべき方向性がかたまるまでは、

ライン現場に仕事をおろしてはいけないというのだ。

個別に事業を積み上げてトップが議論する会社が多いと思うが、

時間効率が悪いし、間違った「選択と集中」が起きてしまう。

マーケット、競争相手、技術力、営業力をトップが冷徹に評価し、徹底的な収益改善をした上でないと、

将来性がある事業を簡単に切り捨てる愚を犯してしまう危険があるからだ。

前著「ビッグツリー」も面白かったが、本書も一気に読めるスピード感と現場智の迫力に満ちている。

編集長 尾中謙文

にほんブログ村 本ブログへ

編集局S

ぼくの本棚251:クラウド・コンピューティング by 西田宗千佳


11 3月

クラウド・コンピューティングという言葉をご存じだろうか。

Web2.0の次にくると聞いて「ああ、またか」と思う方も多いかもしれない。

記号論に振り回されると、ブームが去ったとたん空しさと疲れを感じる経験は誰しもある。

しかし一方で、暗黙知のままではわからなかったことが、記号化され、形式知になった途端

世界のメインストリームになり、眠っていた多くのチャンスが時限発動することもある。

クラウド(雲)とは利益を生む巨大な恵みの雨、レインメーカーのことだ。

しかもその向こうにはどれだけの富があるかまだわからない。

この、まだわからないものが数年前から静かに動き始め、もう富の一端はそこまで来ている。

これまでのライバルを蹴落とし続ける競争原理の可笑しさから、

共創し同じゴールを目指す方が巨大な富になることに気づいたものが一抜けする新しいゲームだ。

はたしてクラウドはブーム(一過熱)からトレンド(時代波)になるのか。

21世紀初頭、利益の勝敗で始まったゼロサム社会が、心の豊かさや本質に目覚め、

22世紀に向け真の共創社会を築けるかが、ITの分野でも今試されている。

編集長 尾中謙文

にほんブログ村 本ブログへ

編集局S