ぼくの本棚243:ホワイトヘッド/有機体の哲学 by 田中裕

15 10月

この世になぜ信仰があるか考えたことがあるだろうか。

何を信じるかは千差万別、全く自由だが、もし信じるものが無い時、

あなたの人生はどうなっていただろうか。

日本人の多くは、神社が神道で、お寺が仏教で、クリスマスがキリスト教だと知っていても、

信仰や行動はしない。

その時々、八百万の神が救いを与えてくれることを信じる、大らかな国民性だ。

しかし、最近は全く信仰心の無い人もいる。

そんな人の空いた心には「お金」という神様がすっぽり入ってしまう。

僕は、気付いた時には、ホワイトヘッドの「過程と実在」にはまっていた。

繰り返し読むたびに、その難解さに舌を巻いた。日本語訳の本も少ないし、誤訳本も多い。

それくらいホワイトヘッドは難しく、全体を理解するのに時間がかかる。  

ホワイトヘッドは七つの顔を持つ。数学者、理論物理学者、プラトニスト、

形而上学者、プロセス神学の創始者、エコロジスト、文明批評家。

これに教育者(ケンブリッジ大、ハーバード大の教授)のおまけも付く。

なにしろ彼の哲学には、相対性理論や重力理論などがプラトンと並列に登場する。

彼の「数学原理」に多大な影響を受けたノイマンはコンピューターを発明した。

その驚異的広範囲な専門性と影響力は他に類を見ない。

ホワイトヘッドが専門的智慧を統合したことで様々なものが連鎖し、

宇宙創造の構造と生命の関係性を考えるきっかけをつくった。

僕にとってホワイトヘッドは、いま考えると信仰に近かったのかもしれない。

あなたが信じ続けられるものは一体何だろうか。

編集長 尾中謙文

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