ぼくの本棚242:個を超えるパラダイム by スタニスラフ・グロフ

08 10月

物質的豊かさは、精神的障害や自殺、犯罪、暴力、薬物中毒を増加させる。

貧困から脱した後、多くの国がこの問題に苦しむ。

貧困や飢えに苦しんでいる時はそれどころではない。

日本も豊かになったが、いくらお金や物があっても、孤独や不安、

悩み、苛立ちが解決できないのは何故か。

グロフはチェコでアニメーター会社に就職したが、

18歳の時フロイトの本を読み精神科医に転向した。

グロフは多くの臨床を繰り返すうちに、

人の人格形成は、出生時の体験が影響していることに気づく。

胎児が産道を通って外に出るまでの間に、

人は死ぬ苦しみを味わい、それが精神病の元になるのだという。

グロフは最初のうち胎児の記憶を再現するのにLSDを使っていたが、

米国で覚醒剤中毒が流行り、この実験はできなくなった。

グロフはLSDの代わりに瞑想によって人の誕生記憶を再現することに成功する。

産道の中での死ぬ苦しみの後、生まれた記憶を再現した人は、心が癒されることもわかった。

個を超えるとはどういうことか。

本書には至高体験によって気づきを得た、

つまり個人の領域を超え、神や宇宙的存在を感じた事例が多く登場する。

あなたは、すでに味わった至高体験をはたして覚えているだろうか。

編集長 尾中謙文

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