Archive for 10月, 2008

ぼくの本棚243:ホワイトヘッド/有機体の哲学 by 田中裕


15 10月

この世になぜ信仰があるか考えたことがあるだろうか。

何を信じるかは千差万別、全く自由だが、もし信じるものが無い時、

あなたの人生はどうなっていただろうか。

日本人の多くは、神社が神道で、お寺が仏教で、クリスマスがキリスト教だと知っていても、

信仰や行動はしない。

その時々、八百万の神が救いを与えてくれることを信じる、大らかな国民性だ。

しかし、最近は全く信仰心の無い人もいる。

そんな人の空いた心には「お金」という神様がすっぽり入ってしまう。

僕は、気付いた時には、ホワイトヘッドの「過程と実在」にはまっていた。

繰り返し読むたびに、その難解さに舌を巻いた。日本語訳の本も少ないし、誤訳本も多い。

それくらいホワイトヘッドは難しく、全体を理解するのに時間がかかる。  

ホワイトヘッドは七つの顔を持つ。数学者、理論物理学者、プラトニスト、

形而上学者、プロセス神学の創始者、エコロジスト、文明批評家。

これに教育者(ケンブリッジ大、ハーバード大の教授)のおまけも付く。

なにしろ彼の哲学には、相対性理論や重力理論などがプラトンと並列に登場する。

彼の「数学原理」に多大な影響を受けたノイマンはコンピューターを発明した。

その驚異的広範囲な専門性と影響力は他に類を見ない。

ホワイトヘッドが専門的智慧を統合したことで様々なものが連鎖し、

宇宙創造の構造と生命の関係性を考えるきっかけをつくった。

僕にとってホワイトヘッドは、いま考えると信仰に近かったのかもしれない。

あなたが信じ続けられるものは一体何だろうか。

編集長 尾中謙文

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編集局S

ぼくの本棚242:個を超えるパラダイム by スタニスラフ・グロフ


08 10月

物質的豊かさは、精神的障害や自殺、犯罪、暴力、薬物中毒を増加させる。

貧困から脱した後、多くの国がこの問題に苦しむ。

貧困や飢えに苦しんでいる時はそれどころではない。

日本も豊かになったが、いくらお金や物があっても、孤独や不安、

悩み、苛立ちが解決できないのは何故か。

グロフはチェコでアニメーター会社に就職したが、

18歳の時フロイトの本を読み精神科医に転向した。

グロフは多くの臨床を繰り返すうちに、

人の人格形成は、出生時の体験が影響していることに気づく。

胎児が産道を通って外に出るまでの間に、

人は死ぬ苦しみを味わい、それが精神病の元になるのだという。

グロフは最初のうち胎児の記憶を再現するのにLSDを使っていたが、

米国で覚醒剤中毒が流行り、この実験はできなくなった。

グロフはLSDの代わりに瞑想によって人の誕生記憶を再現することに成功する。

産道の中での死ぬ苦しみの後、生まれた記憶を再現した人は、心が癒されることもわかった。

個を超えるとはどういうことか。

本書には至高体験によって気づきを得た、

つまり個人の領域を超え、神や宇宙的存在を感じた事例が多く登場する。

あなたは、すでに味わった至高体験をはたして覚えているだろうか。

編集長 尾中謙文

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編集局S

ぼくの本棚241:君を幸せにする会社 by 天野敦之


03 10月

米国企業倒産の影響で世界中で連鎖倒産する企業が増えているが、

あなたの会社は大丈夫だろうか。

あなたは会社にいる時、幸せに仕事をしているだろうか。

毎日がんばって働いているのに、なんで幸せじゃないのかと嘆いていないだろうか。

会社の利益を追求するほど、仕事は辛くなってはいないだろうか。

では、あなたは一体何のために働いているのだろうか。

天野氏は一橋大学在学中に公認会計士に合格し、会計の本を書き30万部のベストセラーを出した。

その後外資系コンサルの会社で、人の幸せと企業の利益を両立させるチャレンジをし、本書を書いた。

経営者も社員も身につまされる話が満載だが「すべてに感謝する」ことや

「人は、ありのままで十分すばらしい」という読後感はさわやかな秋空のようだ。

失敗や挫折は、一面を見ると堪え難いほど辛い経験だが、視点を変えてみると、

そのお陰で様々な気づきを得て、助けてくれる人の暖かさに感謝することや謙虚さを学ぶ。

良いことと悪いことは、木の葉の表と裏の関係だから、

現実を直視するには両面を見なければならない。

あなたは悪いことが起きた時、誰かに感謝をしたことがあるだろうか。

編集長 尾中謙文

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編集局S