ぼくの本棚227:河鍋暁斎 by ジョサイア・コンドル

16 6月

河鍋暁斎をご存知だろうか。暁斎は幕末明治期に活躍した天才画家だ。

本書は明治初期、鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドル(暁斎の弟子)によって著された。

コンドルが見た暁斎の天才性とは何だったのか。

「記憶力によって自然の形態を心に留めると同時に、

目には見えても紙には写せぬ自然の動きを心に捉えている」

と暁斎の詳細な観察をしている。

「墨絵では黒と白の配合の中に光と闇の結合の効果が表され、

これが多分に自然の中に見られる多様な色調の代わりをなしている」

複雑な濃淡で表現する水墨画の陰翳の魅力を、コンドルは正確に捉えている。

暁斎は小泉八雲/ラフカディオ・ハーンや動物学者モース、医師ベルツなど

明治初期の親日家に愛された。

コンドルを始め美術家が江戸美術を正当に評価したことで、

パリを中心にジャポニズム旋風が吹き荒れ、江戸時代の浮世絵、水墨画の多くが欧米に流出した。

編集長 尾中謙文

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