Archive for 6月, 2008

ぼくの本棚229:なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか by ケンジ・ステファン・スズキ


25 6月

デンマークでは80%の人が「自分の国を愛している」と答える。

このごく自然なことが、最近の日本では少し怪しい。

高齢者を大切にしない行政の失態、

私腹を肥やす官僚による汚職の数々が、国民との信頼関係を蝕む。

信頼とは納税意欲であり愛国心だ。

何が信頼を損ねるのか、一部の支配的官僚は未だその理由がわかっていない。

官僚による税金や年金の考え方と使い方が、フェアではないのだ。

デンマークでは若者の国政への関心が高く、投票率も80%を割り込んだことがない。

日本では、歳を重ねて働けなくなった人を、行政がどのように扱っているかを見れば、

若者が年金を払わない理由も、投票率が低いことも解せる。

著者は「国民と国家のインターフェイスの悪い国は民主主義の度合いが低い」と言っている。

あなたは日本の未来を、どんな人が住む、どんな国にしたいだろうか。

編集長 尾中謙文

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編集局S

ぼくの本棚228:急に売れ始めるにはワケがある by マルコム・グラッドウェル


20 6月

今まで知らなかったモノが、ある日、爆発的に売れ出したり、

ある時突然ブームが起きたりするのは何故か。

初めて見るものなのに「これは売れるかもしれない」と多くの人が直感するのは何故だろう。

そして自分が信頼する仲間や好きな人が、自分と同じ様に感じていると共感した時

「これはゼッタイ流行る!」と確信に変わるのは何故なのか。

本書では、流行現象をクチコミによる感染と捉え、そのメカニズムを解き明かすことに成功している。

TVCMの急速な減退により、流行を作るために、巨大な広告投資する会社はさすがに少なくなった。

グラッドウェルが言う「ティッピング・ポイント」とは何か。

小さなアイデアや行動が臨界点を越えて一気に流れ出し、洪水のように広がる劇的瞬間のことだ。

小が大を動かすことは、いま世界中で頻発する、意味ある小さな暴動をみれば明らかだ。

編集長 尾中謙文

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編集局S

ぼくの本棚227:河鍋暁斎 by ジョサイア・コンドル


16 6月

河鍋暁斎をご存知だろうか。暁斎は幕末明治期に活躍した天才画家だ。

本書は明治初期、鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドル(暁斎の弟子)によって著された。

コンドルが見た暁斎の天才性とは何だったのか。

「記憶力によって自然の形態を心に留めると同時に、

目には見えても紙には写せぬ自然の動きを心に捉えている」

と暁斎の詳細な観察をしている。

「墨絵では黒と白の配合の中に光と闇の結合の効果が表され、

これが多分に自然の中に見られる多様な色調の代わりをなしている」

複雑な濃淡で表現する水墨画の陰翳の魅力を、コンドルは正確に捉えている。

暁斎は小泉八雲/ラフカディオ・ハーンや動物学者モース、医師ベルツなど

明治初期の親日家に愛された。

コンドルを始め美術家が江戸美術を正当に評価したことで、

パリを中心にジャポニズム旋風が吹き荒れ、江戸時代の浮世絵、水墨画の多くが欧米に流出した。

編集長 尾中謙文

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編集局S

ぼくの本棚226:未来を変える80人 by シルヴァン・ダルニル


13 6月

秋葉原で凄惨な無差別大量殺人事件が起きた。

つい先日、土浦で同様の事件が起きたばかりだ。

25才の犯人は殺した人の未来など全く考えていない。

自分に起こる悪い出来事は他人や社会のせいにし、

自分の人生が思い通りにならないとキレるのは何故か。

自分だけが勝ち抜くことだけで、

自分、相手、社会のすべてが良くなるイメージを今の教育システムは教えていない。

確かに知識や智慧は人の器を創る。

しかし感動の経験という中身が無いと魅力ある個性は生まれない。

この器と中身の日々の切磋琢磨によって教養が身につき、ぶれない生き方ができる。

本書では社会貢献とは具体的にどういうことなのか、

社会を変え行動することはどういうことなのか、という目印になる人が世界中から80人も登場する。

多くのインスピレーションを与えてくれ、生き方を考えさせられる豊かな本だ。

編集長 尾中謙文

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編集局S

ぼくの本棚225:人類が消えた世界 by アラン・ワイズマン


09 6月

もうすぐ洞爺湖サミットが開催する。地球環境の悪化スピードは日を追って加速度化している。

このままでは地球温暖化は止まらない。

温暖化によって備えなければならないのは新型ウイルスの感染症だ。

鳥インフルエンザは、やがて広がるのがわかっていながらワクチン製造をけちって何になるのか。

このままでは確実に国民の何割かは死ぬ。

相変わらず厚生省は現実を直視しておらず、後手悪手が多い。

本書はワイズマンの想像力によって様々な仮説が出現する。

人間が地上から消えたあと世界はどうなるのか、という問題だ。

ワイズマンは最新科学によって数日後から300百年後の隅々に至るまで、

リアルな未来を描き出すことに成功している。

本書はタイム誌やアマゾンのベストノンフィクションに選ばれた。

あなたは地球の未来について考える時間を少し取れないだろうか。

編集長 尾中謙文

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編集局S