ピカソは「一枚の傑作を描くよりも、その画家が何者であるかということが重要である」と言った。
岡本太郎とは何者なのか。「新しいといわれればもう新しくない」と岡本は言う。新しい瞬間とは何か。
「芸術はきれいであってはならない」「芸術はうまくあってはならない」
では岡本の目指す芸術とは何か。芸術はなぜ必要なのか。
本書は54年前に書かれた。今もって全く古さを感じない。むしろ斬新な言霊に溢れている。
芸術は決意の問題で、ゴッホやゴーギャンのように「素人」でもできると岡本は言いきる。
ならば今、芸術の爆発力がなぜ日本人に足りないのか。
「芸術は爆発だ。邪道が正道である」という岡本太郎の声が木霊する。
編集長 尾中謙文
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