Archive for 4月, 2008

ぼくの本棚208:時の運 人の縁 by 野田一夫


09 4月

久しぶりに野田先生とお話をさせていただいた。

野田先生は日本を代表する智慧の巨人、フューチャーリストとして、

多くの経営者に高い志と、経済的合理性の心髄を植えつけた人だ。

またその一方で齢80を過ぎても、春風のような暖かさと、

わくわくどきどきするようなサプライズ感を常に持っている不思議な方だ。

このみごとなバランス感覚はどこから来るのか。

野田先生は「現実を直視すること」だという。

「現実の中に、常に未来への兆しがある」のだと。

野田先生は東大工学部から文学部に転じ、マックス・ウエーバーの社会科学を学んだ。

MITに国費で招かれ、カルチャーショックを受けたことがきっかけで、

帰国後、日本総研、ニュービジネス協議会、平河町クラブ、シティクラブ・オブ・東京、

多摩大学、宮城大学など、あらゆるジャンルの社会的事業を立ちあげた。

本書のタイトル通り、社会でイノベーションを起こすためには「時の運」を捉えるための物理的準備と、

「人の縁」に恵まれるための、気さくな人づき合いが不可欠だ。

野田先生が日本に紹介し、経営の神様といわれたピーター・ドラッカーとは、登山仲間の親友になった。

しかし本当のドラッカーは神様などではなく、

講演の壇上で裸足になるような、実に気さくな人だったという。

編集長 尾中謙文

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編集局S

ぼくの本棚207:理性の奪還 by アル・ゴア


07 4月

ゴアはハーバード大卒業後、従軍記者としてベトナム戦争に行き、

戦争の悲惨さをいやというほど経験した。

だからこそアブグレイブ収容所で行われた

人権、人道を無視した過酷な取り調べや拷問には、ことのほか目が鋭くなる。

民主主義とは何か。

人間が理性を保ち、正常な思考力と判断力を持ち、

分別、良識に基づいて考え、行動することができる状態だ。

そして、これこそが合衆国憲法最大の美点のはずだ。

その米国があろうことか、ブッシュの一存でイラク戦争を始めたのだ。

当時のテロ対策大統領補佐官は、911はアルカイダの仕業でイラクの関与では無いと否定し、

CIAはイラクの証拠がないと警告したのにも関わらず、

ブッシュがこれを無視し開戦したことで、3000人の米国人と数万人のイラク人の命が失なわれた。

本書にはその時のホワイトハウスが克明に描かれている。しかも驚くべきことに、

戦後の計画はイラク侵攻中も全く無く、チェイニー副大統領らはイラクの石油省の施設を確保し、

埋蔵石油をいかに獲得するかを企む。裏ではエンロンやエクソン・モービルが暗躍する。

バクダッド政府は2007年、イラクの埋蔵石油開発を米英の石油会社に与えた。

米国は7000億ドルという莫大な経費を使って得た石油開発権とは裏腹に、

2008年石油の高騰で物価も高騰し、

皮肉にもサブプライム問題によって金融システムさえも決定的な打撃を受けていく。

編集長 尾中謙文

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編集局S

ぼくの本棚206:ソース/あなたの人生の源は、ワクワクすることにある by マイク・マクマナス


04 4月

最近、労働の質が落ちているという話を経営者からよく聞く。

多くの人がやる気の無いまま仕事をし続けている。

能力が無いわけではない。ではやる気が出ないのは何故か。

良い営業成績や良い結果を早く得ることばかり求め、

仕事にワクワクするような素直な感情や、興味や好奇心が起きる純粋な気持ちを切り捨て、

周囲や会社に合わせ、自己を押し込めなければならないからだ。

それでもサラリーが右肩上がりで上昇しているうちは、お金で別の快楽を得ればバランスはとれていた。

いまや年収は下がる一方で、物価はどんどん上がる。年金も見えない。

こんな状況で自分らしい生き方をするのは、どだい無理な話かもしれない。

しかしマイクは、失業と金欠の経験から、人生の一番どん底の、最もひどい状況の時こそ、

自分がワクワクする、夢中になれる、幸せな気持ちにさせてくれることを

一途に実行することが、劇的に状況を好転させるだという。

自分がワクワクすることをすべて発見し、自分や人のために無条件に使うことで、

肉体が活性化し、チャンスが引き寄せられ、お金があとからついてくるのだという。

本書は、人は考え方ひとつで人生が根本から変わり、幸せになれると言っている。

ひとりひとりの心の中が幸せでなければ、オリンピックや世界平和など絵に書いたモチのようなものだ。

動乱や戦争の無い社会をつくるためにも、少しでも多くの人をワクワクさせたり、

元気の出ることを考え、社会でこっそり実行したいと心から思う。

編集長 尾中謙文

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