ぼくの本棚202:インテリジェンス人間論 by 佐藤優

24 3月

本書を読むと、佐藤氏の洞察力はただものではないことがよくわかる。

スパイに必要な素質や資質は、「007」ばりのガンテクニックでも、

「ミッションインポシブル」のような人間離れしたアクションでもない。

冷静な観察力と正確な記憶力と文化的素養のある語学力なのだ。

そして幅広い相手への的確で素早い対応や、

過度の緊張にも動じない受容と忍耐の場数を踏むことが、分析力の緻密さに磨きをかける。

本書に登場する実名は鈴木宗男、橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗、

プーチン、金日成など国を動かしてきた大物ばかりだ。

スパイの活動実体も克明に描かれている。

しかし見落とせないのは民族的、多元的価値観を持たないと、

国際政治の諜報判断など何一つできないという事実だ。

TVがお笑い漬けにした「そんなの関係ない」と言っている日本人にとって、

もはやポジティブインテリジェンスは不用なのか。

政治決断さえまともにできない有名無実になった政治家に、

国際情勢の諜報活動など遠い世界の話なのか。

こうしている間にもスパイ天国日本において、世界中の情報と諜報が、

日本政治抜きで飛び交っているのは悔しいがまぎれも無い現実だ。

編集長 尾中謙文

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