ぼくの本棚182:世界でもっとも美しい10の科学実験 by ロバート・P・クリース

16 1月

1851年、教養あるヨーロッパ人は地球が動いていることを、みな知ってはいたが推論に過ぎなかった。

というのも望遠鏡はまだ一般人には手が届かなかったし、

天文観測になると専門的すぎて別世界の話だったからだ。

フーコーが「振り子の実験」をやるまでは。フーコーが

「地球が動いていることを証明するデモンストレーションを行う」という話は瞬く間にパリ中に伝染した。

ナポレオンでさえフーコーにパンテオン大聖堂で一般公開するよう求めた。

フーコーは巨大なドームの天井から振り子を垂らし、ワイヤーの長さは67メートルに達した。

はたして、振り子は5、6時間ほどで目に見えるほど振動の向きを6、70度変えた。

ナポレオンはいたく感激し、フーコーをパリ天文台の物理学者に任命した。

この成功は世界中にあっという間に広がり、

大聖堂のあるオックスフォード、ニューヨーク、ローマで実験が行われた。

著者はこの実験には崇高美があるという。

ものの見方をはっきりと提示する美や、この世界と自分とがしっくり溶け合う美だ。

そういえば、日本ではこのような美に出会うことがめっきり少なくなった、

と感じるのは僕だけではないはずだ。

編集長 尾中謙文

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