ぼくの本棚 157:在日 by 姜尚中

24 10月

著者は東大の教授あるいは売れっ子文化人としてあまりにも有名だ。

しかし早稲田大学に通い始めた頃、日本名「永野鉄男」を名乗っていたことを知る人はほとんどいない。

生まれた時から在日コリアンは望むも望まざるも指紋押捺を強制され

屈辱的な感情を心の奥深くねじり込まれる。

本書は姜尚中の生誕から、二人のおじさんを通してみた在日一世の人生、

ドイツ留学、父の死、天皇の死に展開していく。

語り口調は淡々としているが、言葉の一つひとつに在日という人生を背負っている重みを感じる。

実名を隠しながら帰化していく親類と、悲壮な決意で実名を名のりそれを宝ものに生きていく人生。

やがて赤裸々に正直に語られる言葉の裏に、

苦渋に満ちた「在日」に隠された不条理な激情が流れていると感じるのは僕だけではない。

あなたにとって祖国とはなんだろうか?

編集長 尾中謙文

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