ぼくの本棚 156:黒川紀章ノート/思索と創造の軌跡 by 黒川紀章

17 10月

黒川さんが逝かれた。偉大な建築家だった。

3か月前にお会いした時はまだ元気そうに見えたが、

政治については自分ではなく自分の意志を継いだ人がやらねばならないだろうと言っていた。

今にして思えば死期を悟っていたのかもしれない。

黒川さんは建築家であると同時に思想家でもあった。

ロシア、イギリス、アメリカに自宅を持ち、日本に滞在する期間は3番目位だと言っていたが、

海外生活が長くなるほど、地球的規模で手掛けた建築の数は増え続け

「歴史と未来の共生は、まさに生命の原理そのものなのだ」と

多様な文化の壁を超え相互理解を唱えるようになった。

ドウルーズやガタリから「リゾーム」「ミルティプリシテ」といった哲学や秩序の影響を受け、

やがて国立美術館のような有機的なデザインが生まれていく。

本書は不世出の天才建築家の一生分の考えが詰まった、予言に満ちた摩訶不思議なノートである。

編集長 尾中謙文

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