ぼくの本棚 142:あの世この世 by 瀬戸内寂聴、玄侑宗久

28 8月

瀬戸内寂聴は小説家から出家したが、

玄侑宗久は臨済宗の僧侶でありながら芥川賞を受賞し小説家になった。

ふたりの有り様は逆だが現役の出家者で小説家ということに変わりはない。

ユニークなふたりが「信仰生活をしている人にしか、わからないこと」を

対談するのだから尚更興味をそそられる。

空海は天才で、最澄は秀才で実直で、法然は誠実で、親鸞は煩悩だという

ユーモア溢れ、核心を鷲掴みにする会話にふたりの話力を観る。

「自らを拠りどころとし、それ以外を拠りどころとしてはいけない」と釈迦が言うのに対して、

新興宗教の教祖は「私を拠りどころとしなさい」と言うことに僧侶の眼力は鋭くなる。

「愛欲の悩みをどうするか」「不慮の死をどうやって受けとめるか」など

小説家であり僧侶ならではの人間愛の深さが浮沈し面白さを加速させている。

編集長 尾中謙文

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