ぼくの本棚 125:秘すれば花 by 渡辺淳一

24 7月

「風姿花伝」は父、観阿弥の教えを世阿弥がまとめた室町時代の能の聖典である。

時の流れには男時女時(おどきめどき)があると観阿弥は言う。

男時は万事つきに恵まれていて、何をやってもうまくいく時である。

逆に女時はどんなに努力してもうまくいかない、つきに見放されている。

こうした努力と関係ない、時の巡り合わせを良く理解し、時に無理して逆らわず、

ここぞという時が来たら溜めていたエネルギーを一気に出すことが懸命だと言う。

「この緩急の妙が、時のつきを自分に引き寄せることにつながる」といった

「能」の奥義だけにしておくのはもったいない秘伝の数々が本書には満載だ。

いかに大衆を魅了し、花のある存在でありつづけるかは今も昔も変わりがない。

編集長 尾中謙文

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