ぼくの本棚 111:金融工学者 フィッシャー・ブラック by ペリー・メーリング

28 6月

「期待リターンの変動に関するわれわれの予想は、笑いたくなるほどお粗末」

と言い切ったブラックによって、世界のファイナンス理論は変わった。それもたった一本の数式で。

1972年、ブラックは自分がギャンブラーになるのではなく、ギャンブラーに情報を売ることにした。

「ブラックは、自分の表を使ってオプションのポートフォリオを

うまく構築するやり方(割安のオプションを買い、割高のオプションを売る)を

アドバイスすることになった。

それからまた、表を使えば株より割安な代替投資対象としてオプションを

活用するタイミング(ロングでは割安なオプションを買い、ショートでは割高なオプションを売る)が

わかることも、さらにまた、リスクの高い裁定取引を採り入れる戦略

(割安なオプションに株のショート・ポジションを組み合わせるか、

株のロング・ポジションに対して割高なオプションを売る)も教える羽目になった」

学者と現場が近いほど、その数式には臨場感があり、

おそらくは権威に近いほど、現場で起きている兆しは見えない。

ブラックはノーベル賞に値する革命的な数式を残したが、57歳の若さで世を去った。

編集長 尾中謙文

にほんブログ村 本ブログへ

編集局

Leave a Reply