ぼくの本棚 108:自壊する帝国 by 佐藤優

25 6月

前作「国家の罠−外務省のラスプーチンと呼ばれて」から本書まで、

内容が事実だとすれば、佐藤氏の持つロシア近隣の情報を収集する才能と、

情報操作のノウハウを日本は利用しきれていない。

本書を読むと佐藤氏がいた部署は、皇太子妃がいた北米2課を含め、

情報を表面に出さない方が国益になるのは間違いない。

「週明けに大使館に「戦利品」を持っていくと、上司たちは驚いた。

私はどのような場所でこれらの資料を入手したかを説明した。

あぶないからそのような場所に出入りするなとの注意をされるのではないかと

少し心配していたが、異論派の情報に日本大使館は弱い。

アメリカや西ドイツの外交官は異論派と付き合って

いろいろな情報を取っているので、関係をうまく続けて欲しいと言われた」

インテリジェンスに関わる仕事は、情報を扱うセンスが問われる高度な技術職だ。

特に今後は、テロ、大量破壊兵器、麻薬、コンピュータ犯罪など、

以前より難しさが増している問題を、

状況判断で個々に技術処理できる才能を持った人材が必要になる。

スパイ天国日本において、諜報機関の設立が急務なことは周知の事実だが、

国会の幼稚なドタバタ劇を見るかぎり、この国ではまだ当分のあいだ絶望的と言わざるを得ない。

編集長 尾中謙文

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