ぼくの本棚 107:ぼくの哲学 by アンディ・ウオーホル

22 6月

以前、インドのダラムサラでダライラマ14世と会った時、チベットの実物のマンダラを初めて見て

「なんだウオーホルじゃないか」と思ったことがある。

もちろんウオーホルがマンダラの影響を受けたのだが。

曼陀羅は陽(理性や論理)のエネルギーと陰(感情や生産)のエネルギーをフラクタルに描き、

仏的な宇宙観を表現している。

ウオーホルが選ぶオーガニックなデザインの素材も、

生命感や具体性を消すデザイン表現によって、乾いた抽象的な美が生まれる。

流体的、非定形、自然造形的な偶然的形体すら、

ウオーホルは独自のセンスでパターン化し、生命的躍動感を消してしまう。

サンプリングによる、視覚的退色感と模倣的プラスティック感の生みだす快感とでもいうのだろうか。

本書はそうしたウオーホルのデザインへの疑問やもどかしさを解消してくれる、

ウオーホルの美意識の集大成といってよい。

彼の生き方や考え方が、好き嫌いは別にして、比類なき独自性を生みだしているのは確かだ。

編集長 尾中謙文

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