人は必ずいつか死を迎える。
死後の先には何があるのか。
死に至るまでいかに健康的に生きられるか。
人間らしく死ねるか。
チベット人は死について徹底的な研究をして膨大な文献にまとめた。
それが「死者の書」である。
「死者の書」はエジプトのものだけだと思われる方が多いが、
本書はチベットの話でエジプトとは全く関係ない。
本書は解脱における三つの知性が書かれている。
第一に、48種の静寂な知性と52種の活動的な知性を、
曼陀羅の形式美に表現した、密教の体系があること。
第二に、純粋な知性に侵入する瞑想法として、
突破型と飛躍型があり、その先で純粋知性を悟れること。
第三に、死に際した身体の変化と心の変化を、両面から詳細に知識体系化していること。
日本の年間の自殺者数はイラク戦争の戦死者より多いことはご存じだろうか。
死について深く考え、今、この一瞬を生き抜くことが、死の恐怖から開放される、
ということは、すでに多くの先達が言っている。
編集長 尾中謙文
編集局