ぼくの本棚 53:「奇想の系譜」「奇想の図譜」 by 辻惟雄

30 3月

江戸ブームが続いている。もはやブーム(一過性熱)ではなくトレンド(時代風波)といった方が正しい。なぜか。遥か江戸時代、当代きってのイラストレーター達が凌ぎを削って美の本質を極め、文化は限りなく豊かだった。世界中の画家に影響を与えたという事実、史実も日本人にとっては、たまらなく魅力的に見える。もちろん「本物」は海外のコレクターの手で大切に保管されていて、大美術展でもなければ、拝めないものが大半だ。世界中の本物の目利きに見いだされたアートこそ、江戸美術の真骨頂であり、グローバル・カルチャーの発信源なのだ。では日本アートの目利きの役割とは何なのか。本書の初版は1970年。これをいま見れる日本の豊かな出版業界に感謝しなければならない。江戸美術を楽しみながら学ぶことができるのは、本書をおいて見当たらないからだ。

編集長 尾中昭文


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